ミノタウロスクエスト3

ジャンル:RPG
プラットフォーム:Win95/98 (RPGツクール95作品)
作者:佐藤 五三郎さん
種別:フリーウェア
ダウンロード先:作者サイトそば処五三郎
備考:タイトルに3と銘打っているが、1や2は存在しない。タイトルからしてネタなのです。

ゲームの内容: 「ミノタウロスを再び封印した勇者に新たなる試練が! 今度の敵は魔王。果たして勇者は魔王を倒すことができるのか!? そして、前作(ミノタウロスクエスト2)で異次元に放り込まれたポールの行方は? 大好評ミノタウロスクエストシリーズ第三弾!!」(作者サイトより)
という触れ込みでミノウェアから発売された…ということを仮定して作られた 架空のメーカーの架空のRPG…というパロディであり結局は秀逸なバカゲー。


取り敢えずプレーしなさい

こんなレビューを読んでいる暇があったら、 すぐに上のダウンロードページに飛んで下さい。っつーか飛べ(^^; で、プレーしてください。 この続きを読むのは、その後にした方がいいと思います。

....プレーしましたね? じゃ続きを読んでください。 あ、でも「今オフラインなんですけど」という人も いるでしょうから、プレーしてない人もいる、ってことで ネタバレにならないように文字の色を変えておきます。

「名前を入力してください」

まず、この作品は、最初に名前を入力してもらいます。 しかし、あれ?これツクール95作品。 確かツクール95には そういう機能がないはずなのに。 そんなことを考えつつ名前入力画面を見ると....

以下、ネタバレ。
(↓ここから↓)
何とツクール2000の画面をスキャンしただけやん! しかも解像度が違うためここだけガタガタになってる!!! ツクール95作品なのにツクール2000作品だったとは、 参りました(意味不明で失礼)。
ただ、名前入力できないのですけど.... 結局デフォルトの名前のまま強行。結局名前など入力してないじゃないか!

しっかし、驚いたのは、「95の素材を2000に持ってくる」ように 「新しいツクールで、古いツクールのデフォルト素材を使う」 といったようなことはよくあるのだけど、その逆、新しいツクールの 素材を持ってきて古いツクールで作るというのは相当に斬新....
あ、バカゲー二大巨頭のもう一人、かはさんもやってたか、2000素材を シミュツク95に強引に使って。

(↑ここまで↑)

フィールドもあるしエンカウントもある

超短編と申し上げましたが、オーソドックスタイプの戦闘が あります。しかし敵のグラフィックが....。 バカゲーということが非常にわかりやすいです、はい。 とはいえ、バカゲーの割に、ゲームバランスもいいし、 システム面ではオーソドックスに思えるかもしれません。

大丈夫、その感覚はことごとく裏切られていきますから (馬鹿方面に)

ダンジョンもある

そしてフィールドを行くと、ダンジョンがあります。 そしてダンジョンの中では敵も出てくるし、宝箱もあります。 これだけ聞くと、普通でしょう、実際、 ここまでは普通です。しかし、凄いのは、
宝箱を調べると宝箱を手に入れることが出来ます。
え、これも当たり前だって?確かにこの文章だけ見ると、 当たり前に見えますね。しかし、この文章の意味するところ、 なぜ僕がここを強調したかは、プレーした人なら誰でも お分かりでしょう。

史上最強のラスト

そういうわけで、 取り敢えず終わるんですけど、ラストが最強に極まっております。 そう、「取り敢えず終わる」とさりげなく書いたけど、 本当に取り敢えず終わるんです。 これについてはここで述べるのはどうかと思いますので、 ぜひとも皆さん、その目で確かめてください。

以下、ネタバレ含む解説。 (まだプレーしていない人は楽しみが半減するため決して読まないこと。)
(↓ここから↓)
ドラクエ7を妹が勝手に持っていった。友達に貸すためらしい。 しかし僕もドラクエ7をプレー中だったため、ディスク2がプレステの中。 妹はドラクエ7をディスク2枚組だと知らなかったらしい。 幸い、ディスク2に入る前に気づいたのでめでたしめでたし、ですが。

あと、これは何かの雑誌で読んだのだけど、FF8が中古で格安で 売られていて、「ディスク4がありませんが結構遊べます」というのが あったらしい。まあFF7もディスク1で止まっている人が結構 いましたからねえ。

しかしミノクエ3のディスク2はどこにあるのでしょうか。 きっと異次元空間に消えたに違いありません。
(↑ここまで。↑)

ゲーム「で」楽しむのではなくゲーム「を」楽しむスタンス

実は僕はこのゲームほど、「ゲームの内容」を書くのに 苦労したゲームはありません。なぜなら、このゲームは現実と 架空とゲームと…といった多重構造から成っているからです。 そしてその多重構造が思わぬ馬鹿ゲー新感覚を作り出すのに成功しています。

このゲームにはreadmeのHTMLファイルが説明として入っています。 しかしゲームのプレー後に読むとおや?と思うかもしれません。 そうでないとしても、技術的に長けている人は「このファイルサイズで これだけの壮大な物語が展開されるのか?」といぶかること うけあいです。
マウスでドラッグしてみると分かるのですが、制作会社の 「ミノウェア」というのも架空であるしシナリオもかなり架空、という 設定だそうです。
なんか噂に聞くAngel Whisper(あの有名なChild-Dreamの作品)みたい。 プレーしていないので何とも言えませんが、 こちらの方が破壊力バツグンです。 なにしろAngel Whisperがゲームと現実の垣根を取り去ってじわじわと お互いの距離を狭めようとしているそうですが、それに対して、 本作品は「ゲームの中で無理矢理現実に引き戻す」 といった強引さがあり、それを不本意にも笑ってしまった僕がいて、「ああ、なるほど、 こういうのもありだな」と思わせてくれました。


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