キノトの誕生日

[おことわり]この話は、ゲーム「Moon Whistle」の設定を利用していますが、ゲームとの関連は一切ありません。


 
キノト 「わーい きょうは ぼくの たんじょうび。
          みんな どんな プレゼント くれるのかなあ。」
 
キノトのママ 「キノト、お友達が 来てくれたわよ。」
 
みんな 「キノトくん、おたんじょうび おめでとう!」

なるみ 「はい これわたしからの プレゼント。」

キノト 「ありがとう! あけてもいい?」
 
なるみ 「いいよ。」
 
キノト 「(ガサゴソ) わあ、Xレンジャーの くつしただ!
          ぼく くつした はくのが にがてなんだけど、
          これで いっしょうけんめい れんしゅうするよ!」
 
あゆみ 「ええ〜!?」
 
なるみ 「どうしたの? あゆみちゃん。」
 
あゆみ 「わたしの プレゼントも Xレンジャーの くつしたなの・・・」
 
キノト 「やったー。それなら かわりばんこに まいにち はけるよ!」
 
あゆみ 「そう? よかった、よろこんでくれて。」
 
ぜのん 「・・・。」
 
なるみ 「ぜのんくん、どうしたの? プレゼント わたさないの?」
 
ぜのん 「・・・。」
 
あゆみ 「まさか・・・。」
 
ぜのん 「(無言で プレゼントを 渡す)」
 
キノト 「(ガサゴソ) ・・や、やったー。これで よごれたときも
           Xレンジャー くつしたに とりかえれるよ。」
 
誰かの声 「とう!」
 
みんな 「うわあ!」
 
Xレンジャー 「正義の味方、Xレンジャー ただいま見参!
                  キノトくん、お誕生日 おめでとう!
                  プレゼントを もって来たぞ。
                  みんなの ヒーロー Xレンジャーの くつしただ!」
 
一同 「・・・。」
 
キノト 「・・う、わーい。これなら・・・てにも くつしたを はめて、
          みんなに みせつけれるよ。」
 
なるみ 「(キノトくん さすがに それは ムリが あるわ・・・)」
 
しかし その後も プレゼントは ことごとく Xレンジャーくつした で、
ありえない光景に キノトは 泣きそうになっていた。
 
キノト 「(ぐすっ)・・うう。ママ、ママは なにを プレゼントしてくれるの?」
 
キノトのママ 「え、ええと・・・、Xレンジャー くつした よ。
                  でも、ほら、よくみて! ここの色合いとか、
                  微妙に ちがうでしょ! どこも 糸の ほつれも ないし、
                  キノトのためにって 100円ワゴンの中から 一生懸命
                  えらんで 来たのよ!・・・・・・(はっ、しまった!)」
 
キノト 「そ、そうか・・・みんな、くつしたが 100えん だったから・・。
          ぼくなんか 100えんの かち しかないんだ!
          そう いいたいんでしょ!もう、いいよ!」
 
キノトは泣きながら部屋を飛び出していった!
と思った とたんに 怪人ヒャクエン キンイッツー が現れた!
 
ヒャクエン キンイッツー 「キノト、お前の気持ちは よくわかる。
                               俺は昔、100円ショップの看板だった。
                               そこで見たのは 「100円だから」と、
                               使い捨てのように ものを粗末に扱う ヤツばかり。
                               そんな奴等に 復讐(ふくしゅう)するために
                               俺は生まれ変わったんだ。
                               さあ、キノト。一緒に ヤツらに 復讐しよう!」
 
Xレンジャー 「待て!ヒャクエン キンイッツー!
                  お前は問題をすり替えている!
                  確かに ものを粗末にするのは 問題だ。
                  だが 私達のプレゼントには お金では あらわせない
                  心が こもっている!そんな人の心が わからんやつには、
                  くらえ! Xブラスター!!」
 
ヒャクエン キンイッツー 「ぎょえええー!!
                               くそっ!いつか この借りは返す!
                               おぼえてろ!」
 
ヒャクエン キンイッツーは 去っていった。
 
キノト 「・・・。そうか、みんなの プレゼントには こころが こもっていたんだね。
          ・・・ぼく、それを わすれてたよ。ありがとう、Xレンジャー!」
 
こうして 今日も めでたし めでたし。
 
――みんなも プレゼントには 心をこめて 贈ろう!
    そして ヒャクエン キンイッツー のような怪人を 生み出さない為にも、
    ものを大切にしようね!